第27回 未来人は“顎なし族”?縮む顎と増える歯が招く「舌ストレス」と言う現代病

私たちの顎は、じわじわと小さくなっている──そんな驚きの指摘をしているのが、人類学の権威・馬場悠男先生の研究です。30代、40代のあなたも「顎が小さくなったかも?」と感じたことはありませんか?私、歯科医師の安藤正之(舌ストレスと咬み合わせ治療)が、この馬場先生の著書をもとに解説。未来人のシュミレーションから、私たちの口の中で何が起きているのか、科学的に紐解いていきます。
顎が小さくなる“未来人”の顔とは?
馬場先生は、縄文時代から現代に至る日本人の顎と歯の変遷を詳しく調査。縄文人は丸い顔、弥生人になると細面へとシフトし、現代人はさらに顎が細くなっていると指摘します。今後も軟食化が進むと、顎の小さい親から生まれた子どもは、遺伝的にも小顎化が加速。歯列の幅が狭まる一方で、歯そのものは大きいまま変わらないため、口のスペースがどんどん窮屈に……。馬場グループの未来人モデルを見れば、一目瞭然。顎はV字型に細くなり、まるでチンパンジーや犬に近い形状にまで退化する可能性があると言います。
馬場悠男先生の権威ある研究
馬場先生の代表作『未来人の顔』では、縄文→弥生→現代人の顔立ちの推移をグラフィカルに再現。以下のポイントが示されています。
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縄文人:狩猟採集生活で噛む力が強く、幅広で丸みのある下顎。
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弥生人:農耕文化の到来により軟食傾向が始まり、顎幅がやや細面へシフト。
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現代人:さらに加工食品や軟食が進み、V字型に近い細い顎に変化。
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未来人モデル:軟食化と遺伝的顎小型化のダブルパンチで、犬やチンパンジーに近い細さになる可能性を示唆。
特に遺伝子レベルで「小顎遺伝子」が選択されると、親から子へと顎の幅が確実に狭くなっていくことが予測されています。
顎の小型化と歯列狭小化のダブルパンチ
顎の幅が狭まる一方で、前回ご紹介したように現代人の歯自体はむしろ大きくなる傾向があります。歯冠の厚みが1mm程度増加するだけで、左右それぞれ0.5mmずつ、顎内スペースは大きく圧迫されます。この「歯列狭小化」は、咬み合わせのゆがみを生み、結果として舌が本来の位置を失う要因となるのです。
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歯列幅の変化:縄文人と比べ、現代人でおよそ5~10%の狭小化が確認されています。
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歯のサイズ増加:同じ期間で歯冠厚みが約1mmアップ。細い顎と大きな歯がミスマッチを生みます。
舌ストレスの深刻化と舌癌リスク増
顎のスペース不足で、舌は常に周囲の歯に押し付けられるようになります。これが「舌ストレス」です。慢性的な機械的刺激は、舌粘膜の炎症を招き、長期的には舌癌のリスクを高めることが知られています。
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慢性炎症:圧迫・摩擦による細胞障害が繰り返され、がん化を促進。
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統計データ:近年、日本の舌癌患者数は10年前と比べて約20%増加※。顎小型化と軟食化が一因と考えられます。※厚生労働省「がん登録」より
炎症による痛みや違和感だけでなく、舌の可動性低下は発声や嚥下にも影響。全身の酸素供給が低下することで、頭痛や片頭痛を引き起こすこともあります。
全身不調との関係性――肩こり・首こり・腰痛への波及
舌ストレスは口腔にとどまらず、全身不調を招く現代病です。
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呼吸機能の低下:舌による気道狭窄で浅い呼吸に。首や肩の筋緊張を招き、慢性的な肩こり・首こりに。
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咬み合わせの歪み:顎関節への負担が頭蓋骨のバランスを乱し、首~腰への連鎖的な腰痛を引き起こします。
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姿勢の悪化:顎の位置を補おうと無意識に首を前方へ傾けるため、猫背や巻き肩が定着。結果として頭痛や片頭痛の悪化も。
これらは単なる「老化現象」ではなく、顎・歯列・舌ストレスがもたらす複合的な症状なのです。
歯科医師が担う「未来へのストップ」
未来人モデルが示すように、顎の小型化はますます進む見込みです。この流れを食い止めるには、咬み合わせ治療や矯正による歯列拡大が不可欠。舌ストレスを軽減し、舌粘膜の慢性炎症や機能低下を防ぐことで、将来的な舌癌リスクや全身不調を抑制できます。
私・安藤正之は、1990年から「咬み合わせと全身の関係」を研究。2018年に「舌ストレス症候群」の名称を確立し、東中野で多くの臨床実績を積んでいます。軟食化が進む現代だからこそ、歯科医師の立場から「噛める口元」を取り戻し、健康寿命を延ばす治療をご提案します。
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