第26回 歯が1㎜変わるだけで人生が変わる?新発見“舌ストレス”の正体

昔と比べて“歯が大きくなっている”って本当?
「最近の子はなぜあんなに歯が大きいんだろう?」――歯科医師会の集まりで、そんな疑問が長年くり返されてきました。でも、その“どれくらい大きいのか”までは誰も具体的に検証していなかったのです。今回は、50年前の日本人と現代人の歯のサイズを比較し、「本当に歯は大きくなったのか?」を徹底検証します。
解剖学の名著に見る50年前の日本人の歯のサイズ
その鍵を握るのが、解剖学の権威・上条先生が執筆した名著『日本人永久歯解剖学』。この教科書には、1960~70年代に測定された日本人の歯冠データが詳細に記録されています。たとえば、奥歯の6番目(下顎第一大臼歯)の前後方向の厚みは――
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男性:10.7mm(1cm + 7mm)
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女性:10.2mm(1cm + 2mm)
とされていました。
現代人の歯はどれだけ大きくなったのか?実測データをチェック
これを踏まえ、安藤正之先生(舌ストレスと咬み合わせ治療の歯科医師)が、30代の男女各10名の歯モデルを実測。結果は驚きの数値に…!
| 性別 | 昔の平均 | 現代平均 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 10.7mm | 11.25mm | 約1.05倍 |
| 女性 | 10.2mm | 11.02mm | 約1.08倍 |
おおよそ1.0~1.1mmの増加ですが、内側と外側からそれぞれ0.5mmずつ厚みが増すと、舌が居られるスペースは40%以上も狭くなってしまう計算です。
たった1㎜の変化が舌の居場所を奪う理由
口の中の1mmは、私たちがイメージする以上に大きな距離。舌は平常時、上顎の内側にふんわりフィットして安定しますが、歯が大きくなるとその“ホームポジション”が狭まり、舌は常に外側へ押し出されるストレスにさらされます。これが、近年提唱された「舌ストレス症候群」のメカニズムです。
舌ストレス症候群が招く全身への影響(肩こり・腰痛も…?)
では、舌にかかる負荷がどうして「肩こり」や「腰痛」といった全身症状にまで波及するのでしょうか?
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呼吸の変化:舌が圧迫されると口呼吸になりやすく、首の筋肉が緊張。
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咬み合わせの歪み:舌と歯の間にアンバランスが生じ、顎関節や頭蓋骨にズレが発生。
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姿勢への影響:頭が前方へ傾きやすくなり、首・肩の筋膜が引っ張られて慢性的なこりに。
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連鎖的な背骨への負担:首〜肩〜背中〜腰とつながる筋肉バランスが崩れ、腰痛まで招くケースも。
実際に「毎朝必ず感じていた首こりが楽になった」「長年の腰痛がグンと軽減した」というお声も多く、肩凝りや腰痛の「原因」を根本から見直すきっかけにもなっています。
日常でできるセルフチェック&簡単ケア
まずは、ご自身のお口のスペースをチェックしてみましょう。
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舌先を上の前歯の裏に軽く当てる:無理なくくっついていればOK。
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唇を閉じ、鼻呼吸でリラックス:口が開いてしまう人は要注意。
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飲み込むときの違和感:ゴクリと飲む際に顎やのどに力が入るか確認。
違和感があれば、次の簡単ケアを試してみてください。
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舌トレーニング:舌を上顎に押し当て、5秒キープ×10回/日。
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鼻呼吸意識:鼻づまり解消や寝る前のマスク呼吸で口呼吸を減らす。
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顎関節ストレッチ:上下にゆっくり開閉、左右に動かすエクササイズ。
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マウスピース装着:夜間の歯ぎしりや咬み合わせのズレを予防。
これらを継続することで、舌の居場所を確保し、肩こり・腰痛の解消にもつながります。
専門歯科医師が語る「咬み合わせ」と「舌ストレス」の関係性
当院院長の安藤正之は、微生物学・生理学・解剖学を再学習し、1990年から「咬み合わせと全身の関係」を研究。2018年に「舌ストレス」「舌ストレス症候群」という名称を確立し、多くの臨床データをもとに独自メソッドを確立しました。東中野で開業以来、肩こりや腰痛など不定愁訴に悩む患者さんを多数サポートし、「口から全身の健康を引き上げる」治療を提供しています。
あなたの“口のスペース”をもう一度見直してみませんか?歯が少し大きくなるだけで、舌は大きなストレスを感じ、全身に思わぬ影響を及ぼします。まずはセルフチェックから始めて、必要であれば専門医に相談してみましょう。
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