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クリニックブログ / 舌ストレス改善委員会

第25回 矯正はゴールじゃない!舌ストレス×咬み合わせ調整で首こり・肩こり・腰痛を根本解消

私は歯科医師として30年以上にわたり、咬み合わせと全身の関係を研究してきました。1990年から「咬み合わせと全身の関係」を探究し、2018年には「舌ストレス症候群」を提唱。歯列矯正だけでは解消できない、慢性的な首こり(くびこり)、肩こり(かたこり・肩コリ)、腰痛の原因を解き明かし、東中野の当院で多くの患者様を笑顔にしてきました。ここでは、私が日々実践している矯正治療とその後の咬み合わせ調整について、詳しくご紹介します。

1.矯正治療の3つの目的

矯正と聞くと「ガタガタの歯を並べるだけ」と思われがちですが、実は大きく3つの目的があります。

  1. 歯並びを整える
    でこぼこや重なりを解消し、美しいスマイルラインを形成します。歯並びが整うことで、お顔全体の印象がすっきりし、自然な笑顔が生まれます。

  2. 上下の歯をしっかり咬み合わせる
    正しい咬合は、顎や首筋への不要なストレスを軽減します。咬み合わせが悪いと、首こりや肩凝り、腰痛など全身に歪みを引き起こす“原因”になるからです。

  3. 自然な笑顔をつくる
    口元のバランスが整うと、笑顔に自信が持てます。自信ある笑顔はストレス緩和にもつながり、心身両面の健康を支えます。

これら3つは見た目の向上だけでなく、肩こり・首コリ・腰痛の軽減にも大きく寄与します。

2.抜歯矯正と非抜歯(拡大)矯正のメリット・デメリット

矯正治療には主に2つの方法があり、それぞれ一長一短です。私は患者様お一人おひとりの骨格や舌ストレスの有無、笑顔の理想像を踏まえて選択しています。

A. 抜歯矯正

  • 方法:主に4番の歯を抜き、そのスペースに歯を並べます。

  • メリット:ガタガタ歯列をすっきり整え、笑顔のラインがシャープに。

  • デメリット

    • 本来あった歯の位置が後方へ移動するため、6番の奥歯に舌ストレスが生じやすい。

    • 噛み合わせの奥行き(オーバージェット)が狭まり、舌尖(ぜっせん)が前歯に当たる「雪隠詰め」状態に。
      → その結果、首こり・肩こり・腰痛が慢性化するリスクがあります。

B. 非抜歯(拡大)矯正

  • 方法:歯を抜かずに歯列アーチを横に拡大し、並ぶスペースを確保します。

  • メリット

    • 奥行きが保たれるので、舌が自然な位置に収まりやすい。

    • 舌ストレスを軽減し、首こり・肩凝り・腰痛の予防につながります。

  • デメリット

    • 無理に横幅を広げると、笑顔で歯茎や歯が大きく見え、「品のある笑顔」が損なわれる場合があります。

どちらを選ぶかは、患者様の歯の大きさや骨格、そして「肩こりをどこまで解消したいか」によっても変わります。私は必ず精密検査を行い、患者様と一緒にメリット・デメリットを丁寧に話し合って決定します。

3.舌ストレスを見逃さない「横幅」のコツ

矯正治療で最も大切にしているのは、アーチの横幅を適切に取り、舌が本来リラックスできるスペースを確保することです。

  • 舌ストレス軽減:舌が歯に押し付けられず、無意識のうちにかたこりや首コリを招くのを防ぎます。

  • 咬み合わせバランス:上下の歯が均等に当たるように調整し、顎周囲の筋肉緊張を緩和。

  • 心理的安心感:広く快適な空間があることで、患者様自身が「これで大丈夫」と安心し、治療へのモチベーションも維持できます。

この「横幅重視」のアプローチにより、矯正中から首こりや腰痛が軽減するケースも珍しくありません。

4.矯正後の咬み合わせ調整が必須な理由

矯正で歯並びとアーチ幅を整えた後でも、「首こりが取れない」「肩凝りが残る」という方は多くいらっしゃいます。そこで登場するのが、舌ストレス咬み合わせ調整です。

  1. 赤い咬合紙×銀紙による精密チェック

    • 赤い咬合紙で広範囲の接触点を大まかにマーク

    • 銀紙(赤紙の1/3の厚み)で1000分の13.5mmレベルのミクロン単位ズレを一本ずつ確認

  2. O-リングテストで感じきれないレベルを見逃さない

    • 銀紙で検出できない微細な不均衡も、O-リングテストで歯根膜センサーのアラートをチェック

これら二段階のアプローチで、咬み締めや舌の圧迫による首こり・肩こり・腰痛の再発を防ぎます。矯正だけでは軽減できなかった慢性症状が、「スッと楽になった」と多くの患者様から喜びの声をいただいています。

5.まずはセルフチェックから

以下の症状がある方は、舌ストレス&咬み合わせの歪みが疑われます。

  • 舌が窮屈に感じる

  • 食事中に舌と歯が当たる違和感がある

  • 朝起きると顎や頬の筋肉が疲れている

  • 慢性的な肩こり(肩コリ)、首こり(首凝り・くびこり)を感じる

  • 腰痛が続いてマッサージが欠かせない

  • 顎関節症や歯ぎしりに悩んでいる

  • 偏頭痛が慢性的にある

これらは「歯から始まる不調」のサインです。気になる方は、まずセルフチェックをしてみてください。

【まとめ】

歯列矯正はゴールではなくスタートです。
正しいアーチ幅と咬み合わせを手に入れたら、舌ストレスを徹底的にケアし、精密な咬み合わせ調整を行うことで、首こり・肩こり・腰痛など慢性化しやすい不定愁訴を根本解消へと導きます。

ぜひ、安心して相談できる矯正のパートナーとして、当院の舌ストレス咬み合わせ治療をご活用ください。

不定愁訴に困るすべての方へ、1度あなたの口(舌ストレス)を確認してみませんか。お気軽にお問合わせフォームよりご相談ください。

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