第4回 「咬む」ことの仕組み
前回は「なぜ舌ストレスが現代病なのか?」というお話をしました。
現代の人が舌ストレスになった原因とは、食事の際の咬む回数が少なくなってしまったからです。
そして、柔らかいものばかり食べる”軟食”になってしまったから、咬む回数が減ったというお話でした。
今日は”咬む”ということはどういうことなのか?についてお話したいと思います。
まっすぐに咬む
まず、私たちが毎日無意識にしている咬むという行為は、実は3つの簡単な動きが合わさったものなんです。
その1つがまっすぐに咬むという動き。
この動きは犬歯より後ろの4本の歯、上下左右合わせて16本の歯が引き受けています。(図1参照)
実はその時に、前歯を含めた犬歯から犬歯までを休ませているんです。(図2参照)
図1
図2
前後左右に咬む
もう1つは左右にグリっと寄る動きですね。
右の時には上下の右の犬歯だけを使い、他の歯は全部休ませています。
反対側も同じように、左の時は左の犬歯だけを使い他の歯を休ませているんです。
最後は顎を前にグリっと出す、顎が前に出る動き。
この時には前歯だけを使って、犬歯より後ろの歯は全部休んでいます。
歯は肉体労働者
咬む時に歯にかかる圧力は、実は体重分と言われています。
ですから、男性なら60kg〜70㎏、女性であれば50㎏~60㎏ほどです。
結構な圧力ですよね。
これを歯は毎日踏ん張って受けているわけですから、歯は肉体労働者と言っても過言ではありません。
しかし、人間も24時間は働けませんよね。
ですから、歯も常にどれかを休ませるように、自然とできているんです。
横揺れで歯は立つ
そして、この中で大切な舌ストレスに関する動きが、グリグリと横に動く歯ぎしりの動きです。
歯ぎしりしている時は歯が左右に横揺れしていますよね。
この動きがすごく重要なんです。
なぜかと言うと、この歯の横揺れおかげで顎自体がどんどん大きくなるんです。
歯の模型を使ったこの写真を見てください。
がっちり咬み合った歯の模型
歯を咬み合わせると、上の歯の山が下の歯の谷に入り込みます。
ロックしている状態ですね。
ロックをした状態でグリグリと横揺れが起きると、その刺激で歯は立ち上がるんです。
まっすぐに立てるんですね。
横揺れすることで歯はまっすぐに立ち上がり、なおかつ顎の骨も大きくなれる。
こんな素晴らしい動きが咬むという動作のおかげで無意識にできているんです。
今日は、咬むということはどういうことなのか?
そして、咬む結果歯並びと顎の骨が大きくなる、というお話をしました。
次回は、具体的に歯並びを大きくするにはどうしたらいいのか?というお話をします。