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第7回 10代でもなる歯周病

思春期以降の口の中

前回は口腔ケア年表で0歳から12歳までの歯の注意事項をお話しました。
今日は思春期以降の注意事項をお話したいと思います。

さて、16歳、思春期になると思春期特有のホルモンが出てきます。
特に女性ですね。
実は歯周病菌のあるものはこのホルモンが大好きなんです。
そのために歯肉炎にかかりやすくなります。

歯周病と歯肉炎


実は歯肉炎と歯周炎は少し違います。
どちらも歯茎の炎症の病気ですが、歯肉炎というのは歯茎だけに限った軽い病気だと思ってください。
それがだんだん進行し、骨にまでいってしまうのが歯周病です。

歯周病は重い病気だと思ってください。

何歳が一番歯肉炎、歯周病になる?

さて、古いデータで申し訳ないのですが、昭和62年の旧厚生省、現在でいう厚労省が取った興味深いデータがあります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/koubyou1952/55/4/55_4_640/_pdf/-char/ja

これは何歳から何歳までが、どれくらい歯肉炎、歯周病にかかっているのかというデータなんです。

5歳から14歳までは3人に1人が歯肉炎、歯周病にかかっている。
15歳から24歳までは、3人に2人。
24歳から34歳までは、4人に3人、75%。
ピークは55歳前後で、その後は少なくなっていくというデータです。

要するに、小中学生も歯周病の予備軍である、ということなんです。
逆に55歳を過ぎると減っていく理由は、歯がどんどん抜けていくために歯周病の対象となる歯がなくなっているからです。


そしておそらく若い人たちは、歯周病よりも歯肉炎の方が多いはずなんです。


それが更年期を過ぎる頃からだんだんと歯周病の方が酷くなっていき、重症化していることがわかります。
なぜかと言うと歳を重ねるごとに、歯周病菌が住む歯周ポケットがどんどん増えてくるからです。

できればマイ歯科衛生士さんを見つけて、虫歯や歯周病にならないように、定期的に口内のメンテナンスをしてもらってください。
歯周病菌の特性を科学的に見ると、最低でも3ヶ月に1回はケアをして欲しいんです。そして重症の方は1ヶ月に1回綺麗にしてもらって、残りの29日は自分でしっかりやるという癖をつけて欲しいです。


是非とも、自分の歯を大事に残してください。

大人の歯並び

そして歯並びに関してのお話です。


40歳を過ぎると歯科矯正に不向きになってくるんですね。
歯周病の割合が高くなるうえに、骨も固くなり動かしても後戻りしてしまうからです。
ですから、歯科矯正を考えている方は40歳までに終わらせて頂ければと思います。

そして50歳からは受難の年になります。
いわゆる「がん年齢」ですね。
免疫が衰えて、癌になりやすくなってくる年齢です。

歯周病に関しても50歳以上になると体の免疫が衰えてきて、歯周病がどんどん増えていきます。
歯周病は疲労やストレスでも発症しますし、老化でも発症します。

また、老化で体の色々な機能も衰えてきます。
現在、年間で約10万人が誤嚥性肺炎で亡くなっています。
これは口の周りの筋肉が衰えることが非常に大きな原因なんです。

そして、50歳を過ぎて咬み合わせに問題があり、肩こりや首のこりがすごくある場合は、歯科矯正より歯を丸めていく私の治療法のほうが良くなりやすいことがあります。
もしも困っている方がいらしたら、ご相談ください。

次回は、あなたの口の中はどんな世界なのか、についてお話ししたいと思います。

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第3回 舌ストレスは“現代病”である

さて、前回は口の中にはやわらかいホッペと硬い歯、柔らかい舌の3人の同居人がいる。
そして、柔らかくて傷つきやすい舌とホッペは、常に歯を恐れている、というお話をしました。

さて、今日は「舌ストレスと咬み合わせ」は現代人にしかいない現代病だというお話をしましょう。

現代人特有のストレス

現代病は多々あり、その原因も色々あります。
電車や車に乗って歩かないのも一つ。
飽食美食をしてしまうのも一つ。
これらのために、糖尿病や肥満で苦しんでいる人が多いですね。

また、除菌のやりすぎで、身の回りから、ばい菌を排除してしまったために、アトピーや花粉症などのアレルギーで苦しむ人は、国民の半数近くといわれています。

でも、それに加え、現代には、歯科医としての私が気になる現代人の特徴が、もう一つあります。
それが舌のストレス、「舌ストレス」です。
この写真を見てください。

舌に歯の跡がついてますよね。
こちらの人も、そうですね。

何故現代人の舌は、こんなことになったのでしょうか?
それは、アゴもそうですが、正確に言うと、歯の並び、「歯列」が小さくなってしまったからです。

本当は、これぐらいの大きさが欲しいのです。
歯並びが大きいと同時に、歯が直立して立っているのがお判りでしょうか?
それに比べて、先ほどの二つの写真は、歯が舌側内側に倒れこんでいます。

ではなぜこんなに歯並びが小さくなってしまったのでしょうか?
それは、現代人が咬まなくなったからです。
ではなぜ咬まなくなってしまったのか?
それは、軟食、つまり柔らかいものばかりを食べるようになってしまったからです。

これが実は、皆さんが苦しんでいる「首のコリ」の原因になっているのです。

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舌を「舌ガン」から守れ!

その1 現代人の舌は常に「舌ガン」の危険に冒されている

なぜ「舌ガン」の危険があるのか?
この答えがこちら。

歯並び(歯列)は、いわば「舌のお部屋」です。
これが、今50代以下の人は、小さくなってしまっているのです。

なおかつ、歯は内側に倒れてしまっています。
これが全ての元凶です。

舌に歯の跡がついている人。

多いと思います。というか、93%の人がその可能性があります。
舌は今、多難の時代を迎えているのです。